2025/6/24
コーヒーを選ぶとき、まずは“好き”という感覚に素直でいていいと思います。
決まりごとではなく、今の自分に合うものを静かに探していくような時間。
香りに惹かれる日もあれば、温度や余韻で決めたくなるときもある。
ちょっと背筋を伸ばしたい朝や、心をほどきたい午後。
そのときどきで、自然と手が伸びる一杯は変わっていくものです。
楚々では、そんな“選ぶ時間”を大切にできるよう、いくつかのコーヒーをご用意しています。
ブレンドコーヒーとは、2種類以上の豆を組み合わせてつくるコーヒーのこと。
味のバランスを調えたり、香りにやわらかさを加えたり。
いくつかの個性が響き合うことで、落ち着きのある味わいが生まれます。
楚々のオリジナルブレンドは、ほどよい甘さと、しっとりした奥深さ。
毎日飲んでも飽きず、空間にも人にもなじむ、そんな静かな一杯です。
温度が変化しても美味しく飲めるオリジナルブレンドは、ゆっくりと作業しながら飲みたいときもおすすめです。
もうひとつ、楚々には季節のブレンドがあります。
これは“定番”ではなく、その時々の空気や感覚から生まれる限られたものです。
春の光や、夏の湿度、秋の影、冬の静けさ。
庭の植物や、楚々の空間に入る風の気配など、
暮らしの中のささやかな変化を感じながら、その季節に合う味を整えています。
毎回ちがうレシピでつくる一杯。
“今だけの楚々”を味わう、ちいさな楽しみです。
写真はこれまでにリリースされた季節のブレンドは2種類
ミモザの音色のように、やさしく揺れた春のブレンド
生命の息吹に満ちた若夏ブレンド
シングルオリジンとは、ひとつの農園や精製所など、限定された産地で育てられた豆だけでつくられたコーヒーのこと。
どこで育ったか、どんな土や気候だったかによって、味わいは大きく変わります。
果実のような明るい酸味や、花のように香る香り。
あるいはカカオやスパイスのような深み。
ひとつの豆がもつ個性を、そのまま味わえるのがシングルオリジンの魅力です。
「コーヒーって、こんなにちがうの?」
そんな驚きから始まる一杯も、きっとあなたの記憶に残るはず。
楚々では、中浅煎り〜中深煎りを中心にご用意しています。
中浅煎りは、香りがふわりと立ち、
酸味が明るく、果実のような印象に。
一方、中深煎りになると、コクや甘み、まろやかさが増し、
しっとりと落ち着いた味わいに近づいていきます。
「朝はすっきりした果実味が心地いい」
「午後は、少し深めの静かな甘さがほしい」
そんなふうに、時間や気分に合わせて焙煎度合いを選んでみるのも、ひとつの楽しみです。
コーヒーを淹れるという行為は、どんな器具を使ったとしても、
基本はとてもシンプルです。
粉にお湯を通し、豆がもつ成分を引き出すこと。
いわば、豆に備わっているものを、丁寧に聴いていくような時間です。
だからこそ、どんな豆を選ぶかが、その一杯の印象を大きく変えていきます。
楚々では、ご自宅でもコーヒーを楽しんでいただけるよう、店頭でも、オンラインでも豆の販売も行っています。
器具や淹れ方にこだわることも楽しみの一つだし、
「自分がどんな味が好きか」を知ることから始めてみるのもおすすめです。
初めての道具でも、特別なテクニックがなくても。
もし「これ、好きだな」と思える豆に出会えたなら、
その一杯はきっと、心に残る味になるはずです。
自分でハンドドリップをしてみたとき、
湯気の立ちのぼる香りに、ふっと気持ちがほどけたなら、
それがきっと、“はじまり”なのだと思います。
コーヒーの淹れ方は、人の数だけあっていい。
正解があるのではなく、それぞれのやり方に、それぞれの良さがある。
まずは、自分の“好き”を見つけること。
そこから、コーヒーの愉しさが、自由に、ゆっくりと広がっていきます。
ブレンドか、シングルか。
オリジナルか、シーズナルか。
浅煎りか、中深煎りか。
正解はなく、いつでも“今の自分”にちょうどいいものを選べばいい。
ただそれだけで、コーヒーとの時間は少しやさしくなる気がします。